年中行事

秋分の食べ物と花~秋本番をむかえる二十四節気

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秋分(しゅうぶん)は、二十四節気という太陽の動きをもとにした季節の区分の一つで、黄経180度太陽が通過する日秋分の日です

現在の暦(新暦=グレゴリオ暦)では、9月23日頃から10月7日頃までの約15日が秋分の時期です。

江戸時代まで使われていた旧暦(太陽太陰暦)では、8月・酉の月の中気(月の後半という意味)のためが八月中秋分とも称しました。


秋分の季節

秋分~秋刀魚(さんま)
秋分は、立秋から数えて3番目の秋の二十四節気です。

秋分の日は、太陽が真東からのぼり真西に沈むため、昼と夜の時間がほぼ等しくなります

秋分の日を中日として、前後3日を含んだ7日間は秋のお彼岸です。

お彼岸は多くの人がお墓参りに行く時期ですね。

秋分の日は、国民の祝日でもあり、「先祖を敬い、亡くなった人の御霊をしのぶ日」です。

「寒さも彼岸まで」と言いますが、残暑のぶり返しもなくなり秋らしい気候が続くようになります。

七十二候2019
二十四節季、七十二候2019年カレンダー

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七十二候

二十四節気は、それぞれが約15日間ありますが、二十四節気をさらに3等分した七十二候という季節の区分があります。

秋分には、次の七十二候が含まれます。

秋分 初候 雷乃収声(かみなりすなわりこえをおさむ)

9月23日頃から9月27日頃まで。

夏に多い夕立とセットの雷が収まる時期です。

空もすっかり秋の装いとなり、鱗雲がたなびくようになります。

秋分 次候 蟄虫培戸(むしかくれてとをふさぐ)

9月28日頃から10月2日頃まで。

虫たちが早くも土の中にもぐり冬ごもりを始める頃です。

翌春の啓蟄まで、しばし地表とはお別れです。

秋分 末候 水始涸(みずはじめてかる)

10月3日頃から10月7日頃まで。

田んぼから水を抜き、稲刈りのために田んぼを乾かします。

いよいよ収穫の秋を迎えます。

秋分の食べ物

おはぎ

秋のお彼岸におはぎを食べるようになったのは江戸時代のこと。

古来、邪気を祓う力があると信じられていた小豆とお彼岸の先祖供養が結びついて生まれた習慣と考えられています。

また春のお彼岸で供える「ぼたもち」と秋のお彼岸の「おはぎ」は同じ和菓子です。

  • 春は牡丹の花にちなんで「ぼたもち」
  • 秋は萩の花にちなんで「おはぎ」

と呼ぶようになったというのが通説です。

ですが、場所によっては、ぼたもちはこしあんで、おはぎは粒あんで作る、もしくは、ぼたもちはあんこ、おはぎはきなこと形状に違いをつけている地域もあり、正確なところは分かっていません。

おはぎ

里芋

里芋の原産地はインド東部からインドシナ半島ですが、縄文時代にはすでに日本で栽培されていました。

じゃがいもやサツマイモの栽培が盛んになるまで、芋といえば里芋のことを意味するほど、長く日本の食卓を支えてきた芋類です。

里芋は、8月下旬から10月にかけて旬を迎えます。

十五夜には、収穫したての里芋を供え、その年の収穫を感謝したため、十五夜は芋名月とも呼ばれます。

里芋の独特のぬめりは、ガラクタンという食物繊維の一種。脳細胞を活性化し免疫力をアップする効果があります。

芋類の中では低カロリーで、塩分を調整するカリウムも豊富に含んでいます。

里芋

銀杏(ぎんなん)

イチョウの実の胚芽部分を食用にしたものが銀杏(ぎんなん)です。

秋が深まると、街路樹として植わっているイチョウの下に銀杏の実が落ちて、なんとも言えない臭いが漂っていることがありますよね。

銀杏の実を拾って、果肉の中から核を取り出し銀杏とするのですが、大変な臭いと格闘しながらの作業となります。

独特の風味とねっとりとした食感があり、料理に一粒入っているだけでも秋を感じる季節感の強い食材です。

銀杏(ぎんなん)

松茸

秋の高級食材の代表格、松茸は、8月末から収穫が始まり、9月から10月が出荷の最盛期です。

松茸はアカマツに寄生しますが、生活様式が変化し里山に人の手が入らなくなったため、国内の収穫量は減少の一途をたどっています。

一方で、シメジ・シイタケのように人工栽培ができないため、国産松茸は大変貴重で高額なものになっています。

日本ではこれだけ珍重される松茸ですが、ほかの国の人には”臭いきのこ”でしかないというのも面白い話です。

現在、市場に出回っている松茸の多くが中国や韓国、カナダからの輸入品というのも、こうした食文化の違いのおかげと言えそうです。

松茸

秋刀魚(さんま)

秋を代表する魚といえば、秋刀魚(さんま)です。

9月から11月にかけて、脂がのって旬を迎えるサンマは、塩焼きが最も美味しい食べ方。

他の魚が輸入されているときもサンマだけは国産の時代が続きましたが、それも過去の話となってしまいました。

近年は漁獲量も減少し、かつ海外との争奪戦も激しく、サンマの価格も年々高くなってきて、庶民の台所を直撃しています。

秋刀魚(さんま)

秋分の時期の花

金木犀

吾亦紅(われもこう)

ひょろひょろとした茎が枝分かれした先に、ワインレッドの俵型の花穂をつける吾亦紅(もれもこう)

花びらはなく、苞(ほう)と萼(がく)だけの小さな花が密集して、吾亦紅の花穂を形成しています。

根っこは、止血作用のある地楡(ちゆ)という漢方薬に用いられます。

名前の由来には諸説ありますが、

  • 神様が赤い花を集めたときに吾亦紅をお忘れになり、吾亦紅が自ら「吾もまた紅なり」と名乗り出たから
  • 花のつぼみが宮中の御簾に使われていた木瓜紋に似ていて、割れ目が入っていることから「割れ木瓜」から
  • インドの木香という薬草に似ている「自分たちの木香(吾木香)」から

という説が良く知られています。

  • バラ科の多年草
  • 原産地は日本・中国・朝鮮半島・シベリア
  • 開花時期は7月から10月

吾亦紅

竜胆(りんどう)

清少納言が枕草子の中で美しさを称えたことで知られる竜胆(りんどう)は、青紫色の鐘型の花が日本の秋を代表する花です。

リンドウの花は、日の当たるときだけ開き、日が陰った曇りのときや夜にはつぼみを閉じてしまいます。

生け花の花材でよく使ったのですが、室内で咲いた姿を見たことがない理由がようやく分かった次第です。

りんどう”という名前は、中国名の竜胆から。

あんなに美しい花の名前に”竜の肝”というのも不思議ですが、赤褐色の根っこが健胃作用のある生薬として用いられてきたことに由来します。

苦いことで有名な「熊肝」と同じぐらい苦く、この苦さを例えるには龍の肝しかないということで「竜胆」と名づけられたと言われています。

  • リンドウ科の多年草
  • 原産地は日本
  • 開花時期は9月から11月

リンドウ

金木犀(きんもくせい)

秋ともなると、どこかからともなく漂ってくる金木犀の香りがしてきて、そんな季節かと驚かされることがありますね。

金木犀は、日本には江戸時代の初期に渡来し、庭木として栽培されてきました。

強い芳香のあるオレンジ色の小さい花がひしめくように咲く金木犀は、秋に2回開花します。

金木犀の香りが漂わなくなると、秋もそろそろ終盤。冬に向かって冷え込む日が増えてきます。

  • キンモクセイ科の常緑小高木
  • 原産地は中国
  • 開花時期は9月から10月

金木犀

次の二十四節気は寒露(かんろ)です

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