1月1日は、お正月で元日ですね。
冬休みや年末年始休暇の期間にあるため意識しませんが、元日は一年の最初の祝日です。
ですが、年賀状には「元日」と入れたり、「元旦」と入れたりしますよね。字面は横棒一本の差があるのみでが、果たして何が違うのでしょうか?
元日の意味や由来、元旦との違いについてお伝えしていきますね。
元日の意味
日本の祝日は、「国民の祝日に関する法律(祝日法)」に祝日として祝う趣旨が定められています。
「元」という字は、”一番初め”という意味があり、三が日の事を「元三日(がんさんにち)」とも呼びます。
つまり、一年の初めの3日のさらに最初の日というのが、「元日」の意味なのですね。
元旦との違いとは?
では、「元旦」というのはどういう意味があるのでしょうか。
「元」の意味は、「元日」と同じですよね。
「旦」の意味を調べてみると、朝や夜明けを意味する漢字だということが分かりました。
「元」と「旦」の意味をシンプルにつなげると、”一番初めの朝、夜明け”。つまり「元旦」は”元日の朝”という意味です。
ですが、日本国語大辞典によると、「元旦」には”元日”と”元旦の朝”の両方の意味があると説明されています。
年賀状に思い切り「元旦」と入れていた私としては、一瞬ひやっとしましたが、日本国語辞典の説明のおかげで救われました(笑)。
元日の曜日が1年で一番多い
365割る7は、1余るので、1月1日と12月31日が同じ曜日になるからなのですね。
ちなみに、2019年の元日は火曜日ですので、2019年は火曜日が一番多い曜日になります。
元日の由来
元日は、宮中で行われていた年中行事の一つ、「元日節会(がんじつせちえ)」を由来とします。
元日節会がいつから行われていたのかは明確ではないのですが、少なくとも奈良時代の初めには宮中行事として存在していたと言われています。
応仁の乱で一時途絶えたのですが、1490年から再開され明治維新まで約1200年も続けられた行事です。
元日には、まず皇太子はじめ文武百官からの新年の拝賀を天皇がお受けになる朝賀(ちょうが)が行われます。
元日の朝賀を終えた文武百官を天皇が招いて行う年始の宴会が「元日節会」です。
諸国の豊作の吉兆や、氷室から取り出した氷の厚さ(厚いほど良い)を天皇に奏上するといった儀式が行われていました。
元日の祝い方
新年を迎える元日は現在も大切な日ですね。
元日の朝は、家族そろって「明けましておめでとうございます」と無事に新年を迎えたことを喜びます。
その後、お屠蘇をいただき、お節料理やお雑煮で新年を祝い、近くに神社やお寺に初詣に出かけます。
家々で少しずつ違いはあっても、多くの家庭でそのようにして元日を祝われると思います。
ですが、かつては、庶民にとって元日は現在よりももっと重要な日だったのです。
元日には、全てのものに命を与える「歳神様」がいらっしゃるのを祝う神迎えという大切な行事があったからです。
現在も元日で行うしきたりの多くが、歳神様の来訪を祝う行事を受け継いだものです。
- 門松を飾る
- 鏡餅を飾る
- 注連縄飾りを張る
神様は木の梢に宿ると考えられていたため、歳神様をお迎えする依り代として玄関や門に飾りました。
門松を飾る家は年々減っていますが、かつては歳神様をお迎えするために欠かせないものでした。
歳神様にお供えするために飾るのが鏡餅です。
昔の丸型の青銅鏡の形をしていることから鏡餅と呼ばれました。
注連縄は、災いをもたらす禍神(まがかみ)が家に入れないようにするためのまじないです。
玄関や床の間、門松や神棚に注連縄を張って飾りました。
歳神様のお迎えをおろそかにすると不幸になると信じられていたため、いずれも欠かせない大切な行事だったということです。
まとめ
「元日」1月1日は、冬休みや年末年始休暇の期間にあるため意識することが少ないですが、一年の最初の祝日です。
<祝日法では、「年のはじめを祝う。」と定義づけられています。
「元」は、「一番初め」を意味する漢字で、正月三が日は「元三日(がんさんにち)」とも呼ばれます。
span class="ymarker">一年の初めの3日のさらに最初の日というのが、「元日」の意味です。
元日の由来とされるのは、奈良時代の初めから明治時代まで行われていた「元日節会(がんじつせちえ)」という宮中行事です。
「元日節会」は、元日に新年を迎える拝賀の後に、文武百官を天皇が招いて行われた年始の宴会です。諸国の豊作の吉兆などが天皇に奏上されるという儀式が行われていました。
また「元日」と同じく、1月1日を指す言葉に「元旦」があります。
「旦」は、朝や夜明けを表す漢字ですので、「元旦」は字の意味からは”元日の朝”となります。
ですが、日本国語大辞典によると、「元旦」は”元日の朝”、”元日”の両方の意味を持つとあるので、元旦と厳密に使い分ける必要はないようです。