旧正月が日本でクローズアップされるようになったのは、中国の人の『爆買い』があってからでしょうか。
日本では、旧正月は何てことのない平日ですが、中国では旧正月は春節といって長いお休みです。
この間、基本は帰省する人が多いですが、中国経済の発展とともに海外旅行に出る人が急増。
中でも近くて安全・清潔な日本は人気があるようです。
その影響は大きくて、この時期、出張で東京に行こうものならホテルに空きがありません!
また、春節に海外旅行に出たら、中国の人がいっぱいということも多いようですね。
そんな思いがけない余波を受ける中国の旧正月。
いつからいつかを知っておくと事前に対策(?)が取れるかもしれません。
そこで本日は、2022年の中国の旧正月休みがいつからいつまでなのかをお届けします。
カレンダーとは関係なく実際は1ヶ月近く休む人もいるという驚きの事実も分かりましたよ!
中国の旧正月、2022年はいつからいつまで?
旧正月とは、旧暦の1月1日のことです。
日本では、明治に新暦に変わって以降、旧暦のお正月を旧正月と呼ぶようになりました。
中国では、旧正月は春節(チュンジエ)と言い、中国語圏の台湾・香港も同じ呼び方をします。
旧暦は月の公転周期を基準とし、新暦は地球の公転周期を基準とした暦です。
旧暦と新暦では、1年の長さが違うため、旧正月は毎年違う日になってしまうのです。
では、2022年の中国の旧正月(春節)がいつなのか、詳しく見ていきましょう!
カレンダーで決まっている春節休暇
毎年、日は変わるものの、旧正月は旧正月は例年1月21日から2月20日の間と決まっています。
ちなみに、2022年の旧正月は2月1日火曜日です。
日本でも年末年始は休みになりますが、中国も旧暦の大晦日(除夕:チゥシィー)から1月6日までの7連休となることが通例。
その前後に土日があると、7日よりさらに、長いお休みになるのは日本も同じですね。
中国の春節(旧正月)休暇
例年、旧暦の大晦日から旧暦の1月6日までの7連休です。
2022年は、1月31日 月曜日(旧暦大晦日)から2月16日 日曜日(旧暦1月6日)までの7連休です。
ところが、カレンダーのお休みとは関係が無く、春節に1ヶ月近く休む人たちがいるのです。
カレンダーと関係なく1ヶ月のお休み
春節に1ヶ月近く休む人たちとは、工場に勤めている人たちです。
中国では春節の2週間前から、工場は早くも休みに入ります。同時に帰省ラッシュも始まり、1週間前にピークとなります。
そして、旧暦の1月15日の元宵節で、ようやく春節の期間が終わり、工場が再稼働するそうなのです。
その間、実に1ヶ月。
中国の人にとって、春節が大切なお休みというのが、よく分かる長さですよね。
かたや、俗にホワイトワーカーと呼ばれる会社員の人は、カレンダーで決められた日を休みますので、そこまで長くは休めません。
また、海外旅行に行く層は、ホワイトワーカーに多いでしょうから、春節で日本に影響があるのは、カレンダーで決まっている春節の期間ですね。
これまでの話を整理して、中国の春節がいつからいつまでか、一目で分かるようにカレンダーにまとめましたのでご覧ください!
この長い春節のお休みを中国の人はどんな風に過ごすのでしょうか。ちょっと興味がわいたので、そちらも調べてみました。
旧正月とは何?日本が旧正月を祝わなくなった理由とは!
中国の人は春節をどう過ごす?
中国もカレンダーでは新暦の1月1日に年が変わるのですが、その日は休日であっても、特に何の行事も準備もしません。
春節(旧正月)こそが、新年を迎えることであり、家族や親戚が集まって盛大にお祝いをするのです。
日本でも、年末年始は帰省して地元でお正月を過ごす人が多いのと同じですね。
最近は、海外・国内旅行に行くという人も増えていますが、ここも日本と似たような事情です。
ですが、旅行する人は、やはり少数派。
中国の多くの人は、春節をこんな風に過ごします。
春節の過ごし方
旧暦12月23~25日 小年(シャオニエン)
日本でも、大掃除をし、鏡餅など正月飾りを買ってと、お正月を迎える準備をしますよね。
中国でも年越しの準備を始める日が、旧暦12月23~25日の小年(シャオニエン)です。
(小年は、地域によって、日にちが異なるようですね。)
小年の日、まず台所に供え物をしてかまどの神様をお祀りします。
それから、大掃除と春節の飾り物の飾りつけを始めていきます。
春節飾りは、福の字を大きく書いた「福字」と、対になるお目出度い言葉を書いた「春聯(しゅんれん)」が代表的なものです。
「福字」は、“逆”を意味する「倒」と、“訪れる”を意味する「到」が同じ発音であることから、あえて逆さまに貼ることが多いようですね。
旧暦大晦日 除夕(チゥシィー)
大晦日の日は、日本と似ている点と、まったく違う点があります(笑)。
似ている点は、紅白歌合戦のような番組『春節聯晩会』があること。
日本では、紅白はかつてほど大晦日鉄板の番組ではありませんが、中国では大晦日には家族そろって、『春節聯晩会』を見るというのがお約束です。
そして、最大の違いは、爆竹と花火を盛大に鳴らして、新年を迎えることでしょう。
日本の除夜の鐘とは、かなり違いを感じる点ですよね。
ですが、爆竹もにぎやかにしたいから鳴らしているわけではないのです。
春節に爆竹や花火を鳴らす由来
その昔、大晦日になると「年」という化け物がやってきて家畜や人を襲っていました。
ある年、白いひげの老人があらわれて、赤い服を着て爆竹を鳴らしたところ、「年」が逃げ出して二度と現れなくなりました。
「年」は赤い色と大きな音が苦手だったのです。
この言い伝えから赤色や爆竹には魔よけの力があるとされるようになり、大晦日には爆竹と花火を鳴らすようになったのです。(福字や春聯も赤い紙です)
近年は、中国の大気汚染がひどくなっているため、大晦日の花火や爆竹を制限する動きもあるそうです。
大気汚染を心配するなら、他に制限することあるだろ!と思いますけどね(笑)。
旧暦1月1日~4日
さて、いよいよ新年です。日本でいうところの元日を迎えました。
この日は、起きると、まずその家の年長の人に、長寿を祝う言葉と一緒に新年の挨拶をします
。翌日からは、新年の挨拶周りです。親戚や知人、近所の人たちと共に春節を祝います。
そして、子どもたちは、お待ちかねのお年玉です。
中国のお年玉は、赤い袋に入っていて『圧歳銭(ヤースイチェン)』と言います。
また、中国では、お年玉は子どもだけではなく、従業員や職場の部下に対しても配るのだとか。
上司がいれば嬉しいですけど、部下が多いと痛手ですね(笑)。
元宵節(旧暦1月15日)
旧暦の新年最初の満月の日は、元宵節といい、春節の最終日です。
日本でいう松の内が終わる日に置き換えることが出来ますね。
元宵節は、灯籠をかざり、春を来たことをお祝いする伝統行事です。
最近では、ランタンフェスタという名前でも親しまれていますね。
月に見立てた湯圓(タンユエン)という白玉団子を食べる風習があります。
日本の月見団子と似ている気もしますが、湯圓(タンユエン)には一家団欒・家族円満のシンボルという意味もあるそうです。
春節の食べ物
日本のお正月と言えば、お節とお雑煮ですが、中国の場合は、北京や北部地方では水餃子。
お米が主食の南部地方では、先ほどご紹介した湯圓(タンユエン)が春節を代表する食べ物です。
水餃子を春節に食べるようになったのは明の時代のこと。
形が当時のお金に似ていたことから、縁起を担いで食べられるようになりました。
また、お餅に相当する食べ物として、糖年糕(タンニェンガオ)という食べ物も。
「糕(ガオ)」が、「高」と同じ読みをするため、毎年運気や収入が上がるという「年年高高(ニェンニェンガオガオ)」という縁起を担いで、春節に食べます。
他にも、春節には次のような食べ物が食卓に上がります。
- 魚 → 魚と「余」と同じ発音で、毎年余裕がある豊かな生活が送れるという意味がある「年年有余」の願いから
- 赤身のお肉 → 赤=紅が、「鴻運当頭(幸運に恵まれる)」の「鴻」と同じ発音をすることから
- 鶏肉 → 「吉」と「鶏」は発音が似ていて、「百事大吉(すべてが大吉)」という願う思いから
- 白菜 → “財を成す”を意味する 「百財」と発音が似ているから
- 麺類 → 麺が細く長いことから、長寿を願って
語呂合わせは日本だけのものかと思っていましたが、中国でもけっこう多いですね(笑)。
それに新年を迎えて願うことも似ています。
人間の幸せって、国や民族が違っても同じなのでしょうね。
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まとめ
旧正月は、旧暦の1月1日のこと。
新暦と旧暦では1年の長さが違うため、毎年日にちが変わりますが、例年1月21日から2月20日の間に旧正月は当たります。
2022年の旧正月は、2月1日 火曜日
中国では旧正月を春節(チュンジエ)といい、旧暦の大晦日から、旧暦1月6日までの7連休が春節にからむお休みです。
前後に土日がある場合は、さらに休みは長くなります。
2022年は、1月31日(月)から2月6日(日)までの7日間が春節(旧正月)休暇です
中国でも多くの人は、新年は家族と迎えるものとして帰省しますが、人口が多いため帰省ラッシュも大変な規模です。
工場は、春節の2週間前から休みに入るところが多く、同時に帰省ラッシュも始まります。
工場が再開するのは、旧暦の1月15日の元宵節が過ぎてからですので、人によっては春節の休みは1ヶ月にも及びます。
それだけ、中国の人にとって、春節は特別な期間だということが分かる長さですよね。