清明(せいめい)は、二十四節気という太陽の動きをもとにした季節の区分の一つで、黄経15度を太陽が通過する日が清明の日です。
現在の暦(新暦=グレゴリオ暦)では、4月5日頃から4月19日頃までの約15日が清明の時期です。
江戸時代まで使われていた旧暦(太陽太陰暦)では、3月・辰の月の正節(月の前半という意味)のため三月節清明とも称しました。
清明の季節
清明(せいめい)は、立春から数えて5番目の春の二十四節気です。
”清明”という名称は、「清浄明潔(せいじょうめいけつ)」を略したもので、春の光に全て物が清らかに生き生きとしている様子を意味しています。
清明の始まりは、ちょうど桜が満開の時期です。
花々が次々に咲き始め、蝶が舞い、小鳥のさえずりが耳に心地よい季節の到来ですね。
この時期に吹く穏やかな南東の風のことを「清明風(せいめいふう)」と呼ぶのだそうですよ。
また、中華圏では、清明の日は春の訪れを祝う日で、家族でお墓参りに行く習慣があります。
二十四節気、七十二候2024年(令和6年)カレンダー
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七十二候
二十四節気は、それぞれが約15日間ありますが、二十四節気をさらに3等分した七十二候という季節の区分があります。
清明には、次の七十二候が含まれます。
清明 初候 玄鳥至(つばめきたる)
4月5日頃から4月9日頃まで。
”玄鳥”とはツバメのこと。
南の暖かい地方で冬を越したツバメが海を渡って日本に戻ってくる頃です。
清明 次候 鴻雁北(こうがんかえる)
4月10日頃から4月14日頃まで。
日本で冬を過ごした雁が列をなしてシベリアへ帰っていく時期です。
来る者(ツバメ)あれば去る者(雁)ありの季節ですね。
清明 末候 虹始見(にじはじめてあらわる)
4月15 日頃から4月19 日頃まで。
雨上がりの空に美しい虹がかかるのが見えるようになる時期です。
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清明の食べ物
真鯛
姿かたちと味のよい鯛は、平安の昔に朝廷に献上されている記録があるほど、古くから珍重されてきました。
また「目出度い」に通じる”おめでたい魚”として祝儀になどにも使われるなど、高級魚の代名詞です。
真鯛は1年中水揚げされますが、産卵期までの桜の季節が、脂がのっていて最もおいしい旬になります。
関西では、桜前線と真鯛の旬が同じ時期であることから、とくに”桜鯛”と呼んでいます。
メバル(眼張)
大きな目が張り出しているように見えることから、”眼張(メバル)”という名がついた魚です。
獲れる魚の種類が少ない早春に釣れることから、「目春」の字があてられることもあるほどで、メバルも春告魚の一つに入ります。
同じく春が旬のタケノコやワカメと一緒に煮つけると春の香りが堪能できる魚です。
ヨモギ(蓬)
野原や川の土手で目にすることができるヨモギ(蓬)は、源氏物語の15帖の名前になるほど、古くから親しまれてきた春の野草です。
ヨモギには、吐き気や出血を止めるという効果があり、薬草としても用いられていました。
天ぷらやおひたしとしても楽しめますが、最もなじみ深いのは和菓子に使われるヨモギ餅でしょうか。
緑色が美しいヨモギ餅は、和菓子に春の色どりを添える存在です。
また、最近ではヨモギアンパンもパン屋さんの定番になりましたね。
清明の時期の花
つつじ
ゴールデンウィークに、白・ピンク・紅紫の鮮やかな花を咲かせるつつじ。
普段、私たちが”つつじ”と呼んでいるのはツツジ科の花の総称で、正確にはつつじという名前がついた花はないそうです。
花が連なって咲く様子をあらわす”つづき咲き”から、「つつじ」という名前が付いたと言われています。
また、つつじは漢字で「躑躅」と書き、”行っては止まる・躊躇(ちゅうちょ)する”という意味があるのだとか。
つつじの花は素通りにできないほど美しいということかもしれませんね。
日本およびアジアに広く分布しており、ネパールでは国花にも定められています。
- ツツジ科
- 原産地は日本・中国を中心としたアジア東部
- 開花時期は4月中旬から5月中旬
スミレ
スミレもスミレ科の花の総称で、一つの固有の花の名称ではありません。
春の野山を飾る花として、日本で万葉の時代から愛されてきた花の一つです。
日当たりの良い草地や田畑の畔、道端など、日本で自生しているスミレは50種以上にもなります。
- スミレ科
- 原産地は日本・中国東部から東北部・朝鮮半島
- 開花時期は3月から5月ごろ
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