清明と書いて、“せいめい”と読みます。
”清らかで明るい”と、光がキラキラしている様子や、澄んだ川のせせらぎといった春の様子が浮かんでくるようです。
そんな清明ですが2024年はいつからいつまででしょうか。
清明の詳しい日程と清明という季節についてもお届けしていきます。
清明の由来と時期
清明とは、日本が太陰暦だったころに、季節の移り変わりを知るために使っていた二十四節気という区分の一つです。
清明の日というのは、この清明という時期の始まる日(節入り日)のことです。
清明という場合、節入り日の当日のみを指すこともありますが、本来は約15日間の期間を意味します。
2024年の清明はいつ?
- 2024年の清明の日(節入り日)は4月4日(木)
- 清明の期間は4月4日(木)から4月18日(木)
年によって1日前後しますが、例年4月5日ごろから始まり、次の二十四節気・穀雨の前日にあたる4月19日ごろまでが清明の時期です。
二十四節気、七十二候2024年(令和6年)カレンダー
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清明にあたる七十二候
4月といえば、空も青く、優しい風がそよ吹く春真っ盛り。
花は咲き乱れ、蝶が飛び、鳥のさえずりが耳に心地よい季節ですね。
四字熟語に、全てのものが清らかで生き生きとした様子を意味する「清浄明潔」があります。
清明は、「清浄明潔」を略した言葉です。
二十四節気中でも、季節のイメージを見事に言い表している名称の一つだと思いませんか?
二十四節気をさらに5日ごとの季節に分類した七十二候では、清明は次のような季節になります。
玄鳥至(つばめきたる)
4月5日から4月9日ごろは、南の暖かい地域で冬を越したツバメが再び日本に戻ってくる時期です。
玄鳥とは、ツバメの異名。
ツバメは、米などの作物をついばむこともなく、むしろ農作物をあらす害虫を食べるため、益鳥と扱われてきました。
そのせいか、ツバメが軒下に巣をつくると、幸せをもたらすという言い伝えがあり、ツバメの巣は大切にされてきました。
“ツバメの巣は幸運の象徴なのかー、ふむふむ”と思っていて、ふと思い出したのですが、私がそれこそ幼稚園に通っていたころ、我が家にもツバメの巣がありました。
それも、寝室のクーラーの下に!
どこから入り込んだのか、また、そこまで両親も気づかないものだったのか。気づくと同時に父が壊したような記憶があります。
幸せをもたらすと知っていても、場所が場所なだけに、やっぱり壊したでしょうね(笑)。
鴻雁北(こうがんかえる)
4月10日から4月14日ごろは、雁(がん・かり)が暖かくなった日本からシベリアへ去っていく頃とされています。
鴻雁とは、雁(がん・かり)のことです。さきほどのツバメが暖かい地域で過ごす渡り鳥なのに対して、雁は寒い地域で過ごす渡り鳥です。
渡り鳥である雁は、人々に季節の移り変わりを感じさせる身近な存在として俳句の季語にもなっています。
虹始見(にじはじめてあらわる)
4月15日から4月19日ごろは、空に美しくかかった虹を見ることができる頃です。
春真っ盛りのこの時期、徐々に空気中の湿度も高くなり、色合いもはっきりとした虹が見られるようになります。
春から夏にかけて、大気が不安定な日には夕立が降ります。夕立がやんだあと、西の方角を見ると虹を見つけることができるかもしれませんよ。
清明の時期の雑学
清明の時期は、太平洋を北上してきた鰹(かつお)が美味しい季節です。
鰹には、春から初夏と秋の年2回の旬がありますが、春の鰹を『初鰹』、秋の鰹を『戻り鰹』と区別しています。
初鰹といえば、山口素堂の俳句「目に青葉 山ほとどぎす 初鰹」が有名です。
初鰹は、戻り鰹に比べて、さっぱりとしていることが特徴で、食べると寿命が延びると言われる縁起の良い食べ物として、特に江戸っ子に愛されてきました。
清明の時期は、初鰹のたたきを味わいつつ、健康長寿祈願と参りましょう!
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お釈迦様の誕生日、花祭(はなまつり)
4月8日は、お釈迦様の誕生日と伝わる日です。
お釈迦様がお生まれになった時に、龍が天から降りてきて、生まれてきたばかりのお釈迦様に香水を注いだのだとか!
その言い伝えにちなみ、4月8日には、誕生仏という仏像に香水や甘茶を振りかける法会(ほうえ)が営まれます。
奈良時代には、すでに日本にも伝わっており、宗派を問わず、また仏教系の幼稚園でも行われる仏教行事として親しまれています。
「花祭」でご紹介しましたが、他には灌仏会(かんぶつえ)、仏生会(ぶっしょうえ)、降誕会(ごうたんえ)、仏誕会(ぶったんえ)とも呼ばれています。
4月10日は教科書の日
新学年の始まる4月。始業式には新しい教科書が配られましたよね。
小学生も3年生ともなれば、教科書に自分で名前を書き込みましたが、1~2年の間は母に書いてもらっていたものです。
また、親ともなれば、自分の頃との教科書の違いに驚いたりもしますよね。
4月は、教科書への関心が高まる時期ともいえます。
そこで、教科書協会が中心となって、4(よい)10(としょ)との語呂から4月10日を「教科書の日」と定められました。
十三参り
数え年13歳になる子供が、知恵や福徳を授かりに虚空蔵菩薩お参りする風習を十三参りと言います。
小学校を卒業して中学校に入学する春に参拝する習わしです。
関東ではあまり見かけないようですが、京都の嵐山にある虚空蔵法輪寺にお参りする「十三参り」が有名です。
京都では十三参りはよく聞きますし、私もお参りしました。
ですが、今回、
「十三参りの帰りは、虚空蔵菩薩さまから頂いた知恵や福徳をなくさないよう、渡月橋を渡り終えるまで後ろを振り向いてはいけない」
ということを初めて知りました!
うーん、昔すぎて、振り向いたか振り向いていないかも全く記憶がありませんが、やらかしちゃった感満載なのは何故なんでしょうか?(笑)
ま、そんな私の失敗はともかく、大阪でも太平寺、奈良では弘仁寺に国葬菩薩さまがいらっしゃいます。
お近くで、中学校に上がるお子さんがおられるなら、行楽がてら、十三参りをされてみてはいかがでしょうか。
まとめ
「清明(せいめい)」は、昔使われていた季節の区分、二十四節気の一つで、立春から数えて5番目の春の節気です。
年によって1日前後しますが、例年4月5日ごろから始まり、次の二十四節気・穀雨の前日にあたる4月19日ごろまでが清明の時期です。
ちなみに
2024年は4月4日(木)から4月18日(木)までが清明です。
清明とは、全てのものが清らかで生き生きとした様子を意味する「清浄明潔」を略した言葉。
4月は、春の陽気が本格的になる時期。花は咲き乱れ、蝶が飛び、鳥のさえずりが耳に心地よい季節の始まりです。
お花見にお出かけにと春を満喫できるといいですね。
- 次の二十四節気は穀雨(こくう)です。
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